貴公子と偽りの恋
「行こうか?」

「うん」

香山君の横を少し俯き加減に歩き出すと、

「今日は昨日みたいに腕を組まないのか?」

と言われ、私は首を小さく横に振った。

「昨日は図々しかったですよね? ごめんなさい」

「いや。俺は構わないぞ。腕でも手でも…。何なら肩でも組むか?」

そう言って、香山君は実際に私の肩を掴み、グイッと引き寄せた。

「ちょ、ちょっと、恥ずかし過ぎます…」

「確かにこれは、やり過ぎだな」

すぐに放してもらえたけど、私は恥ずかしさで、顔が燃えるように熱かった。




「じゃあ昼休みに、裏庭な?」

「はい。じゃあ…」

私は遠慮がちに小さく手を振り、お互いの教室に分かれた。

はぁー

今朝はろくに話せなかったな…
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