亡國の孤城Ⅲ ~バリアン・紲の戦~
今は謁見中だというのにいつまで経っても口を閉ざさないノアだったが、レトが軽く一撫ですればものの見事にその場は静かになった。
ノアの扱いも手慣れたものである。
「ごめんなさい…ちょっとうるさくしてしまって。……皆さんも下がって下さい。お客様の前ですよ」
玉座に座りながらペコペコと頭を下げる謙虚な少年王がそう言えば、潮が引いて行くかの様に家臣達はサササッ…と持ち場に戻って行った。
ようやく元の厳粛な謁見の間に戻ったところで、レトは改めてイブが持ってきた書状を受け取る。書状を入れていた筒の容器をドールに手渡し、書面に並ぶ要約された短い文に目を通した。
玉座の後ろから、書状に興味津津のノアが覗きこむ。時折、小声で「これ何て読むの?」とノアに分からない言葉を尋ねながら、レトはじっくりと頭に入れていく。
学問はおろか、文字の読み書きがまだ満足に出来ないレトにとって、書状の解読は一苦労だ。
「―――平和、協定………三度目の試み、ということですね」
フェンネルからの書状に書かれていたのは、三国間で結ぶ平和協定の成立についてだった。
三国それぞれに新しい王がついた今、本腰をいれて創造神アレスの命じる世の中に作り変えていかなければならない。それにはやはり、三国揃っての協力が必要……共に歩まねば叶わぬ事、夢となってしまう。
その先駆けとして、フェンネルが率先して三国間での同盟…いわば、平和協定を結ぼうと促している。
…これは過去、既に二度の試みがあった。デイファレトは快く平和協定の参加に応じたのだが…そのどちらもバリアン国家が応じずに結局今日まで至っているのだ。
三国揃わねば、意味が無い。
そして今回の誘いが、三度目の試みとなる。問題はただ一つ、バリアンの答えのみだ。
「いやはや、毎度思いますが…そちらの女王陛下様の意気込みには本当…感服しますよ。私が今まで生きてきた中でも二国間でのちょっとした同盟なんぞはありましたが…平和協定……しかも三国間だなんて…………御苦労様ですとしか言えませんね。まあ私としてはあのバリアン無しでの協定でも良いのですが」
ノアの扱いも手慣れたものである。
「ごめんなさい…ちょっとうるさくしてしまって。……皆さんも下がって下さい。お客様の前ですよ」
玉座に座りながらペコペコと頭を下げる謙虚な少年王がそう言えば、潮が引いて行くかの様に家臣達はサササッ…と持ち場に戻って行った。
ようやく元の厳粛な謁見の間に戻ったところで、レトは改めてイブが持ってきた書状を受け取る。書状を入れていた筒の容器をドールに手渡し、書面に並ぶ要約された短い文に目を通した。
玉座の後ろから、書状に興味津津のノアが覗きこむ。時折、小声で「これ何て読むの?」とノアに分からない言葉を尋ねながら、レトはじっくりと頭に入れていく。
学問はおろか、文字の読み書きがまだ満足に出来ないレトにとって、書状の解読は一苦労だ。
「―――平和、協定………三度目の試み、ということですね」
フェンネルからの書状に書かれていたのは、三国間で結ぶ平和協定の成立についてだった。
三国それぞれに新しい王がついた今、本腰をいれて創造神アレスの命じる世の中に作り変えていかなければならない。それにはやはり、三国揃っての協力が必要……共に歩まねば叶わぬ事、夢となってしまう。
その先駆けとして、フェンネルが率先して三国間での同盟…いわば、平和協定を結ぼうと促している。
…これは過去、既に二度の試みがあった。デイファレトは快く平和協定の参加に応じたのだが…そのどちらもバリアン国家が応じずに結局今日まで至っているのだ。
三国揃わねば、意味が無い。
そして今回の誘いが、三度目の試みとなる。問題はただ一つ、バリアンの答えのみだ。
「いやはや、毎度思いますが…そちらの女王陛下様の意気込みには本当…感服しますよ。私が今まで生きてきた中でも二国間でのちょっとした同盟なんぞはありましたが…平和協定……しかも三国間だなんて…………御苦労様ですとしか言えませんね。まあ私としてはあのバリアン無しでの協定でも良いのですが」