亡國の孤城Ⅲ ~バリアン・紲の戦~
そんな顔もスタイルも良い美女なのだが、身に纏うのはかの第三国家フェンネルの国家騎士団が着用する白の軍服であり、女の身でありながら彼女が兵士である事を物語っている。
何処ぞの街娘だったならば申し分なかったのに勿体ない、と世の男達は残念がるかもしれないが、当の本人は兵士だとか女だとか…そんな上っ面の問題など全く頭に無い。
何故なら彼女…イブ=アベレットは、そもそも人間ではないのだから。
滑りやすい雪道だというのに、一度たりとも足を取られる事無く軽快に駆けて行くイブ。時折音痴な鼻歌を口ずさみながらの走行を終え、ホップステップで元気よく立ち止まった。
そして勢いよく顔を上げたイブの視界には…見飽きた白い柱の群れは当の昔に無く。代わりに堂々とそこにあったのは、百八十度の視界では収まりきれない大きさの、壮大な城の光景……ここデイファレトの城だった。
この雪国にそびえ立つに相応しい、真っ白な外観の城だ。
フェンネルの城も美しい様式だが、この目の前の城は更に輪をかけて優雅で煌びやか、細かなところまで装飾が行き届いている、美術品の如き様式だ。
大昔から、このデイファレトは三国の中でも一番芸術に秀でた国でもある。その分野での職人が多く、建築物や衣服、様々な日常品に至るまでとにかく美しい。
ついでに言えば、国民も老若男女問わず美男美女しかいないのだそうだ。
普通ならばその大きさだけで威圧感を放つというのに、この国の城はなんともメルヘン且つ高貴な空気を醸し出しているから不思議だ。
天に向けて高く掲げられた、上空ではためく青い国旗をしばし眺めた後…イブは青く輝く城門に歩み寄った。
これまた美しい装飾が施された大きな門は、当たり前だがしっかりと口を閉ざしていた。
門から見える城の内部を覗き見るが、広大な中庭には人っ子一人おらず、あるのは物寂しいアーチと点在する小さな池ばかりだ。
試しに冷たい門に触れて前後に揺さぶってみるが、鍵でもかけてあるのだろう、門はビクとも動かない。
何処ぞの街娘だったならば申し分なかったのに勿体ない、と世の男達は残念がるかもしれないが、当の本人は兵士だとか女だとか…そんな上っ面の問題など全く頭に無い。
何故なら彼女…イブ=アベレットは、そもそも人間ではないのだから。
滑りやすい雪道だというのに、一度たりとも足を取られる事無く軽快に駆けて行くイブ。時折音痴な鼻歌を口ずさみながらの走行を終え、ホップステップで元気よく立ち止まった。
そして勢いよく顔を上げたイブの視界には…見飽きた白い柱の群れは当の昔に無く。代わりに堂々とそこにあったのは、百八十度の視界では収まりきれない大きさの、壮大な城の光景……ここデイファレトの城だった。
この雪国にそびえ立つに相応しい、真っ白な外観の城だ。
フェンネルの城も美しい様式だが、この目の前の城は更に輪をかけて優雅で煌びやか、細かなところまで装飾が行き届いている、美術品の如き様式だ。
大昔から、このデイファレトは三国の中でも一番芸術に秀でた国でもある。その分野での職人が多く、建築物や衣服、様々な日常品に至るまでとにかく美しい。
ついでに言えば、国民も老若男女問わず美男美女しかいないのだそうだ。
普通ならばその大きさだけで威圧感を放つというのに、この国の城はなんともメルヘン且つ高貴な空気を醸し出しているから不思議だ。
天に向けて高く掲げられた、上空ではためく青い国旗をしばし眺めた後…イブは青く輝く城門に歩み寄った。
これまた美しい装飾が施された大きな門は、当たり前だがしっかりと口を閉ざしていた。
門から見える城の内部を覗き見るが、広大な中庭には人っ子一人おらず、あるのは物寂しいアーチと点在する小さな池ばかりだ。
試しに冷たい門に触れて前後に揺さぶってみるが、鍵でもかけてあるのだろう、門はビクとも動かない。