クラウピア 〜雲の上の国の物語〜
『ナナの呼び出しかと思ったら、こんなイケメンが。あなたは?』
 光が終わると、あまり大きくはない、たしかに九つの尻尾を持つ狐がいた。

まあ、狐にしては大きいが。

虹蛇やアペプを見た後では、迫力を感じない。

『あれ?これはナナの杖じゃない。』
『久しぶりね。』
 ナナが声をかける。
『あら、あなた、魔力、カラカラじゃない。だから、彼氏に私を召喚させたの?』
『彼氏じゃないけどね。それより、あの2匹を止めて。』
『え゙…あんな野蛮そうなやつらの仲介しろってゆーの?』
 虹蛇とアペプは、にらみ合っては、攻撃しあうのを繰り返している。
『お願いっ!』
『ナナに頼まれてもねー』
 九尾がこっちを見る。
『俺からも頼む。』
『名前は?』
『コウ。』
『1回デートしてね。』
『へ?』
『嫌?』
『まあ、別にいいが。』
 狐とデートなんか…
『じゃあ、頑張ってくるね。コウ♪』
 九尾は歩き出した。

2匹の戦場に向かって。

すでに神殿は大破している。

『なんなんだよ、あいつ。』
『簡単にいうと九尾の狐はみんな、プレイガール。好きなのよ。人間の男が。狐のくせに。』
 なんだそれ…
『で、九尾の狐と何千、何万、何億と付き合った人間の中に何人か有名な人がいたから、伝説に残ってるの。』
『…でも、悪いことしたってのは…』
『それぞれ理由があるみたいよ。聞いてみたら?デートするんだし。』
『本気か?』
『大丈夫。デートしたくなるから。』
『?』
 どうゆうことだ…?
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