あの雨の日、きみの想いに涙した。
青木を連れて家に着いた俺はとりあえず自分の部屋へと向かった。
青木も横になったほうが楽だと思うし、この家で寝る場所といえば俺のベッドしかない。他の部屋のタンスを調べれば布団ぐらいあると思うけど、なんだかカビ臭そうだから。
青木は制服のまま横になって、なぜかクスリと笑った。俺は上の布団をそっとかけながら首を傾げる。
「私、冴木くんって潔癖な部分があるんだと勝手に思ってたけど、違うんだね」
「俺が潔癖……?」
たしかに他人に自分のものを触られるのは嫌だし、布団にだれかを寝かせることもムリだったけど、それと潔癖とはまた違う。
他の人が家に来たり上がったりするのは今でも躊躇いがあるけど青木にはないからベッドだって余裕で貸せる。ようはそこに信頼関係があるか、ないかだと思う。
「……嬉しいよ。やっぱり冴木くんは優しいね」
青木は首まで布団を被って嬉しそうに笑った。
俺はいつの日かある女子に言われたことを思い出していた。
〝由希って本当は優しい人だと思う。でもね、人って冷たくされたら冷たくしたくなるし、優しくされたら優しくしたくなるんだよ〟
青木はたくさん俺に優しくしてくれた。なんでこんな俺に?と思うぐらい。だから俺も優しくしたいと思った。
だけどきっとそれだけじゃない。
例え、青木がこれから俺に冷たく接したとしても、俺が青木にたいして冷たくなることはないだろう。
青木にだけは冷たくしない。いや、冷たくできないんだと思う。
最近色んな感情を理解しつつある俺だけどまだわからない感情も存在してる。
青木にたいしての感情。他の人とは明らかに違うこの気持ちがどうしてもなんなのかわからない。