亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
暴走する悲しみに身を任せて、訳も分からず、泣きつづける。
同じ様に涙で頬を濡らしたレトは、空いていた互いの距離を詰めて、力無く垂れていたユノの手を取った。
そして再び、クシャリと悲しげに顔を歪めた。
「―――…めん……………ごめん、ね…………関係無いなんて言って……ごめんね…ごめんなさい………………僕…怒らせてばっかりだよね…………………僕………僕……………ちゃんと、見せるから…。…僕、ちゃんと…ユノに僕を見せるから…………………………僕…ユノの、友達、だから………」
君が許してくれるなら、僕は泣きたい時に、泣くから。
それ以外は、まだ苦手だけど………ちゃんと、笑うから。
僕ね、笑えるようになってきたんだよ。
凄いね。とっても凄い。
君が友達になってくれてから、僕は、変わっている気がするんだ。
何処がって、はっきりとは言えないけど。
きっと、僕にも分からない何かが、変わっているんだ。
君が、笑うことを教えてくれたから。
最初の親友に、なってくれたから。
君は、凄いね。
ユノは、凄いんだね。
………ほら、少しだけど笑えているでしょ?
向かい合って手を繋ぎ、レトはそう言って笑みを浮かべた。
浮かべたレトの笑顔は、泣きそうな、何処か悲しそうな笑顔。
とてもじゃないが、そんなのは笑顔だなんて言えない。
見ている方が悲しくなる笑顔なんて、笑顔じゃない。
精一杯、本当は泣きたいくせに強引に浮かべた笑み。
それが、やけにおかしくて。
「………下手くそ」
互いに苦笑を浮かべた後、二人して泣いた。
廊下の真ん中で、響き渡るこの城内で。
ただただ、泣いた。
僕らは、まだまだ子供だから。
上手な泣き方なんて、知らないから。