亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
僕の、やりたい事に。
僕の夢に。
君は、ついてきてくれるだろうか。
これから先、僕が、何をやろうとも。
旅が、終わる。短かかったようで長かった、この旅。
出会いから始まったこの旅を、別れで終わらせたくはない。終わりにしたくないのが本音だが、もう終わらせなければ。
初めての、友。
世間での立場、身分の差など関係無しに、二人は互いに影響しあい、変わってきた。
護衛という守り守られる危険な戦場の中で…たくさん話して、遊んで、笑顔の練習をして…たまに喧嘩をして、涙を流し合って。
…それも、最後となるのだろうか。
王になれば、なにもかも変わるだろう。そのために、自分は動かなければならない。
…そうなれば、もう、会えなくなるかもしれない。それが、不安だった。互いに、不安だった。
ユノにとってもそうだったが、特に父を失ったレトにとっては、この旅が終わりを告げることが悲しくて仕方なかった。
部屋の前で独りそればかりを考えていたのだが…。
………今のユノの言葉で、今の今まで胸中で渦巻いていた不安は、あっという間に消えた。
あっという間に。
「―――………僕…ずっと“親友”がいい…」
君が、どんな存在になろうとも。
君は、僕の知る君なのだから。
…いつかの夜。
一羽の雛鳥を連れて、城を目指して二人で駆け抜けたあの日の夜の様に。
二人は手を繋いで、暗闇の先を見詰めた。
揺らぐ闇。風は無い。酷く不気味で、落ち着かない。
ドールとサリッサが退室するのを確認した後…ユノはいつもの自信たっぷりの笑顔を浮かべて、口を開いた。
「さて、この面子で神様の命令に、従いに行こうじゃないか。………………案内頼むよ、ノア」
その名を呟けば、微笑むノアが天井を擦り抜けて現れ、二人の目の前に降り立った。
「―――…御意に。可愛い王子様」