亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~



「………ずっと、ずっと………。………僕の知る世界は、その部屋だけだった。………たまに部屋の外に出た事はあっても………屋敷から外には出られなかった。………………そんな所で11年間……何をしてたと思う?」



………想像もつかない。
限られた世界しか知らない。
限られた世界からは、出られない。

ならば出来る事も……同様に、限られる。












うーん…としばし考えた末、「………食べて寝る」と答えたレトに、ユノは「それ基本だから」と突っ込んだ。

こほん、と一度咳払いをし、ユノはスッと息を吸った。そして…。

「………貴方は王だ!次なる王だ!貴方様は希望!我等の希望!希望!希望!デイファレト王52世!!近い未来この国の頂点に立つ、52世!!我等が王様!!」






………突如、塔の天辺から響き渡る大演説の様な、ユノの大声。

すぐ隣りにいたレトは不意打ちの様な彼の大声発言に驚き、目を見開いてビクリとのけ反った。




………真下の部屋から聞こえていた大人二人の会話も、一時途切れた。















「………と、まあ……こんな『貴方は王様』台詞を一日中聞いていたよ。……洗脳みたいにね」

「………」


あー、すっきりしたと笑みを浮かべるユノだったが、その微笑はすぐに引っ込んでしまった。
代わりに浮かんだのは………何処か疲労の色が見え隠れする、寂しげな表情だった。






「………僕は王なんだ。………そうなんだな―って……自然、僕は思う様になってきた…」

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