亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~

生かされているのは、僕が王だから。

高貴なる者だから。

必要なものだから。







僕ではなく、王が。




















「………僕は……王じゃなかったら、どうなっていただろう…王になるべく生まれてきた僕は……絶対に王でなければならないのかって………そんな事ばかり考えてしまうんだ。…下らないよね」




下らない。

下らない。





定められた運命を睨んでも、恨んでも……どうしようも無い。

やる事なす事下らない。







………下らないんだ。

















………だから。














「……だから…もう、開き直ったんだ。………僕はこの国の王。頂点に立つ国王。僕は王になるために生まれてきた。………王でなければ、僕自身に意味なんか無い。何がなんでも………王になるんだ……。完璧な王に…。………………だから、今まで生きてこれた。………耐えてこれたんだ…………ねぇ、レト」

マントに埋めていた彼の綺麗な瞳がこちらに向けられたのが、この真っ暗闇でも分かった。



「………生まれた時から王様っていうのは……凄く………嫌になるんだよ。………僕の周りは皆、仮面を被っているんだ。………笑顔なんていう仮面を被った醜い大人ばかり。…………………………………レト、君が羨ましいよ」

「………」

「………君は………………僕と違って生まれた時から……自由だ。自由に囲まれている。…色んな空を見て、景色を眺めて………自然と共にいて……………………純粋で………………………良いなぁ……」
< 363 / 1,521 >

この作品をシェア

pagetop