亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
生かされているのは、僕が王だから。
高貴なる者だから。
必要なものだから。
僕ではなく、王が。
「………僕は……王じゃなかったら、どうなっていただろう…王になるべく生まれてきた僕は……絶対に王でなければならないのかって………そんな事ばかり考えてしまうんだ。…下らないよね」
下らない。
下らない。
定められた運命を睨んでも、恨んでも……どうしようも無い。
やる事なす事下らない。
………下らないんだ。
………だから。
「……だから…もう、開き直ったんだ。………僕はこの国の王。頂点に立つ国王。僕は王になるために生まれてきた。………王でなければ、僕自身に意味なんか無い。何がなんでも………王になるんだ……。完璧な王に…。………………だから、今まで生きてこれた。………耐えてこれたんだ…………ねぇ、レト」
マントに埋めていた彼の綺麗な瞳がこちらに向けられたのが、この真っ暗闇でも分かった。
「………生まれた時から王様っていうのは……凄く………嫌になるんだよ。………僕の周りは皆、仮面を被っているんだ。………笑顔なんていう仮面を被った醜い大人ばかり。…………………………………レト、君が羨ましいよ」
「………」
「………君は………………僕と違って生まれた時から……自由だ。自由に囲まれている。…色んな空を見て、景色を眺めて………自然と共にいて……………………純粋で………………………良いなぁ……」