亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
初めて会って、会話した、同じ子供。
大人達とは違う、子供。
しかし少年もまた、大人達同様に僕を特別視する。
僕を……王族、依頼人としか見ていない。
僕を僕として見てほしいのに。
ああ、こいつもか。
こいつも所詮は………仮面を被る大人の端くれに過ぎないのか。
守ってくれるのは、僕が依頼人だから。
報酬が欲しいから。
義務だから。
狩人だから。
そう、所詮は………やっぱり………やっぱり。
………独り、そんなふうに失望していた最中だった。
僕が、溜まりに溜まった不満や怒り、やり切れない思いを馬鹿みたいにぶつけると………………少年は……。
………少年は………………急に悲しげな表情を浮かべた。………そして僕を………僕を、希望の王子様ではなく………僕として。
「……君達狩人を………狩人のくせに、とか………悪く言って、御免よ。………………僕は、名前を呼ばれて嬉しかったよ。………君が本当に…ありのままを僕に見せてくれているのが分かって、嬉しい」
「………………僕、何も…見せてない………」
ありのままとは何だろう。
見せた事なんて、一度も無いと思う。
見せれる様な、ありのままなんて無い。
彼の言う、仮面を被っていた事さえ、自分では気がつかなかったのに。
気付いて無い?、とユノは笑って訊いてきた。
見当もつかないレトに、ユノはその答えを、ポツリと言った。
「………君、最近よく笑ってるんだよ」