亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~


………。




………笑ってる?







僕が………。
















……『笑う』というのは、一番苦手で、慣れなくて、どんなものなのか分らなかった。


寡黙で無愛想、単語ばかりの会話しかしてくれない父から育てられたせいもあるが………自分自身、笑うという事が必要だとか思っていなかったし、どうでもよかった。




いつも一緒にいるのは父だけだから。

…加えて人見知りの激しい自分は、他人に笑顔など向けられる筈も無かった。














父は、昔から言う。






本当に信頼している者以外、皆…敵かもしれない。

疑いなさい。


疑いなさい。





疑って、疑って。






………それが、狩人。




狩人故の、悲しき習い。




私達は生きるために、生きている。

















常に神と共に。





理に反する愚かな人間とは、関わるなかれ。




我等は我等の、狩人の道を極めるために。













他人に己を見せるな。











他人に情を移すな。



















見よ、我等を異質なる目で見る奴等を。














皆、敵だ。
























「………まだぎこちないけど、君、笑ってるよ。凄くいい笑顔なんだよ…。………笑っている子供を見たのも、初めてだった。戦う子供も、平気で人を殺す子供も……」

「………」
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