亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
………昼間の、狩人の少女を習いに従って殺めた事を、レトはぼんやりと思い出した。
少女は、殺されても仕方無い。
そういう事をしたのだから。
闘いを自らけしかけてきたのだから。
この11年間で、自分は何人………何十人殺してきただろうか。
自分より大きな成人も、老人も、そして幼子も。
狩人であり、挑んできた者達を、血で染めてきた。
それが、自然な事だったから。
当たり前だったから。
逆に、何度も殺されかけた。
何日も意識が無いまま、死の縁を彷徨った事もあった。
こんな生き方は、やはり異質なのか。
外の民は、皆敵なのか。
………ユノだってあの時、驚いていた。
でも、当たり前だから…仕方無いんだ。
当たり前過ぎて仕方無いんだ。
だって、昼間に戦った少女の顔を、僕は、もう。
―――…覚えて、いない。
………だけど、そんな異質かもしれない……いや、異質でしかない僕が…。
僕が…。
「………………笑って…いる……んだ」
ありのままって何だろう。
笑うって何だろう。
僕が、笑う。
………それがどうした…って、だから何なんだ…って、思うけれど…。
………凄く、大事な事に思えた。
無くしちゃいけない、大切にしておかないといけない、そんなものの様に思えた。
「………どうして泣きそうな顔なのさ。…もっと笑ってくれよ」