亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
案外泣き虫なんだな―、と苦笑するユノに言われて、レトはキョトンとした。


…そんな顔まで浮かべていたのか。確かに…何だか目尻が妙に熱いし、視界もぼやけている。




「………一つ、訊きたい事があるんだ…」

「…?」



やんわりとした微笑を浮かべて、ユノは身体ごとレトに向き直った。

………何を訊かれるのだろうと、少し緊張して耳を澄ませた。








………粉雪が、大きめの綿雪に代わって散っていた。

闇夜の中で孤立した二人の周りを、音も無く、白い繊細な芸術が気を遣う様にそっと落ちていった。



























「………レト、君は、狩人だよね」

「………うん…」

「………一人前の、狩人として育てられた狩人だよね」

「………うん…」

「……狩人同士は干渉し合わないけれど………決闘となれば、掟に従って………たとえ相手が子供でも、老人でも……殺すんだよね?」

「……………うん…」



皆、他人だから。

皆、知らない人間だから、躊躇いなんて無い。

敵だから、戦いだから。

















「………じゃあ、もし……」

「………うん…」


















一旦口を閉じ、数秒の間を置いて……ユノは、笑みを浮かべた。


























「僕が狩人で、君に戦いを挑めば、君は僕を殺すのかい?」


























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