亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
ダンテは目を凝らし、少年の手を取って共に丘から降りていく狩人の姿を見下ろした。
………小さい。………あの少年とほぼ同じくらいの…ガキではないか。
………青色帯びた綺麗な銀髪。
やけに色白で、小柄で………。
ふと………その狩人が、空を見上げた。
俯いて見えなかったその顔が、はっきりと………ダンテの瞳に映った。
「―――……………………クウ……だ」
「……え、何だい?食う…?」
…突如、ブルブルと身を震わせ、押し殺した低い声で呟くダンテ。
ダンテの母は様子のおかしい息子を怪訝な表情で見上げた。
「………ダンテ―…?」
「………レトバルディア………クウ………っ…!!」
恨みつらみに支配された泣く子も黙る様な声でダンテは叫び、弓を懐にしまって勝手に崖から飛び降りた。
「ちょっ……ダンテ!?待ちな!!」
切り立った崖から物凄い勢いで落ちていくダンテ。
地面に衝突する寸前、抜いた剣で岩壁を削りながら落下速度を落とし、そのまま難無く崖下に降り立った。
何かに駆られた彼の猪突猛進っぷりは止まる事を知らず、ダンテは母を置いて針葉樹林の中を突っ込んでいった。
………ぽつん、と息子に置いてけぼりを食らった彼女は黙ってフードを被り直し、溜め息を吐きながら息子の後を追うべく、前へ進んだ。
(………あの………馬鹿が…
「………?……レト、どうしたの?」
しきりに辺りをキョロキョロと見渡すレトを見詰め、ユノは言った。