亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
あの灼熱地獄の国、バリアンの政治体制はよく分からない。
国民に対してどんな政策を行っているのか、そもそも国民はちゃんといるのか。
その辺りの詳細は全くもって不明であったが……これで一つ、はっきりした。
(………………やはり……やりたい放題の王族へ不平不満を訴える…反国家組織の存在があった…か………)
バリアンの王は極度の引き籠もりに加え、あれだけ国政を放置し、自由気儘に暮らしているのだ。
反勢力があってもおかしくはない…とは思っていたが………やはりそれは実在していた様だ。
その勢力の規模や行動は、どんなものなのか。
(………国交を叶えるには………その勢力とも面識を持たねばならないな……)
むしろ、王族よりもそちらの反国家組織側との方が、話が合うかもしれない。
………いずれにせよ、そちらの情報は何一つ無い。反勢力側の人間であるらしいこの少女と会えたのは、ある意味運が良い。彼女から何かしら情報を聞き出したいところだ。
だが……。
一つ、引っ掛かるのは…。
「………バリアン王を嫌うお前が……何故そのバリアン王に従って動いている………?」
………おかしいではないか。反勢力側の人間が、バリアン兵士と行動を共にしているなど…。
つい先日送られてきたルウナからの電報と、イブとリストの調査報告によれば、バリアンはやはり…デイファレトの王族を暗殺する目的で潜入しているという。
…その狂った行いに従う事に……何の得があるというのだろうか。
………何か、理由がある筈だ。