亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~




















(―――………フェン…ネ…ル………?)












真っ白な雪に溶け込む様に隠れ、二人の人影の様子を窺っていたレトは、小さく眉をひそめた。


両耳の鼓膜が捉えた言葉は、確かにフェンネルと言っていた。




『フェンネル』とは………このデイファレトと、バリアンと隣り合わせにあるもう一つの国………第三国家、フェンネル。

………緑の国。異端の国。






警戒すべき、国。











あの金髪の女と、現れたり消えたりする眼帯の男は……そのフェンネルの人間なのだろうか。

眼帯の男は、ジンという名前らしい。
腰に太い帯を巻いた、何とも不思議な格好をしている。
スラリとした身体は無駄な筋肉は付いていない。立ち振る舞いを見ていると………並ならぬ戦士である事が分かった。存在自体が殺気の塊と言っていい程………彼は、強い。

金髪の女も、先程のバリアンの少女との戦闘からして、負けず劣らず強い。


(………眼帯の人………あの女の人を………何て呼んでたのかな……)





大きな赤い鳥が飛んで来た際、眼帯の男は彼女を呼んだ様だが………よく聞こえなかった。



………ヘイカ…とか…何とか呼んでいた。





………ヘイカ…?













…さっぱり分からない。
とにかく分かった事は、彼等がフェンネルの人間であり………バリアンが企むユノの暗殺と、何らかの関係があるという事だ。





(………………敵かもしれない…って…………ユノ………言ってた…)


















………ユノは、大丈夫だろうか。

目を覚ましてくれるだろうか。

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