†Helfin Reise†
「確かに5000zorは殺しても価値がある。むしろ得か。それだけ貰えれば、そうだな…一週間くらいはまともな暮らしが出来るか。今から、報酬貰いにギルドに寄るか。ついでに…」

リグルは茂みにいる女の子を目を落とした。

「この子もどうにかしないとな?」

『そうだね。一泊させてもらわないとだし。』

しゃがみ、女の子を抱き抱えると街の中心に位置するギルドまで歩き出した。

アルスもつられ歩く。

「アルス、一つ気になることがあるんだ。」

アルスはキョトンとした顔で主人を見上げる。

「この子、レッドアイだった。」

その言葉にアルスは少し考え、はっとしたように、目を丸くし呟いた。

『レッドアイって…、リグルのお父さん、ティオさんが言っていた?』

「あぁ、神のカペラ…四神の一つを保持しているとか。」

前を見ながら答える。

「けど、父さんが話していた保持者は、こんな女の子じゃなかったよな?」

リグルは女の子の顔を覗きながらアルスに問いかけた。
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