†Helfin Reise†
『そうだね、一年に一回行われる、四国各地の世界大会で、優勝した者に与えられる“称号”と“神のカペラ”。全て揃えた者は“支配者”-ヴォルトレイ-になれるんだよね。その一つを保持してるのが確か、レッドアイの人だった。国では勇者って崇められたとか。この子に勇者はありえないよ。』

疑いの目を女の子に向け、ありえないと何度も繰り返す。

(じゃあどうしてこの子は…)

「レッドアイは火山の国“ヴォルカン”の民の特徴だよな。」

『じゃあこの子、ヴォルカンの人?』

「それは、わからないな。第一ここはオステンだ。お、ギルドが見えたぞ。」

そう言うと、足早にギルドに向かった。

カランカラン

ドアに付けられた鈴が鳴り、カウンターにいた女の子がリグル達に気がついた。

「お客さん?こちらにどうぞ。」

優しい笑顔を見せ、カウンターを指す。

「いや…」

小さく解釈をし、女の子に目を向ける。

「抱えてる子、どうかなさったの?」

女の子はカウンターから出て来て、心配そうに覗く。

「実はこの子をどうすればいいか悩んでいたんだ。よければ意識が戻るまで、部屋を借りたいんだが。開きはあるか?」

「ちょっと待ってくださいね。今調べます。」

パタパタと急いでカウンターに戻り、宿泊者名簿をめくる。
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