†Helfin Reise†
「………あっ、ありますよ。けど、ベットが一つしか…」

「構わない、案内してくれ。」

女の子は二階に上がり、右側の一番奥の部屋に案内した。

「どうぞ、こちらです。部屋には備え付けのベットとお風呂、それからトイレがあります。お食事は面倒ですけどカウンターまで来て下さいね。何かありましたら、下にいますので。後で宿泊届けをしに、カウンターまでお越しください。では。」

「ありがとう。」

一階からは遅い時間というのに少しざわめきが聞こえていたが、パタンと扉が閉まると、部屋には静かな空気が流れた。

リグルは女の子をベットに寝かせ、カウンターまで言って来る。と言った。

「アルス、女の子が目を覚ますまで傍にいてやってくれ。」

『リグルは紳士だねぇ。さっき人を殺した奴とは思えないよ。』

うるさい。と呆れながら少し笑い、ドアを閉めた。

アルスは女の子の脇に座り、様子を伺った。

((この子の名前、まだ聞いてないや。))

起きたら聞こう。そう思いながらアルスはうとうとと眠りについた。

その頃リグルはカウンターで宿泊届けをし報酬の話をしていた。

「それと、最近の依頼を見せてほしいんだが。」
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