狙われし王女と秘密の騎士

パタンと扉が閉まるとお頭が口を開いた。


「驚いたぜぇ!第二筆頭剣士官殿にお会い出来るなんてなぁ。しかもナリエル国王に謁見出来るなんて!すげぇなぁ!」


頭は興奮したように早口で身ぶり手振り喜んでいる。
そんなお頭を横目に私は二人が出ていった扉を見つめた。
カイルは国王に会うと聞いても驚いてなかった。
つまり、驚かない立場にあるということなのだろうか?
例えば、城に出入りするような政治家や上流階級の息子。
それだったら納得がいく。そしたらライのような立場になれる上流階級の友人を持つのも不思議ではないのだ。

私がひとり納得しながらボーッとしているとお頭がオイッと私を叩いた。


「いたっ!何するの!」


叩いたな!バカ力っ。
私はちょっと恨めしげにお頭を見上げた。
お頭は腕を組ながら呆れたようにため息をつく。


「坊主は驚かねぇのか!?国王陛下に会えるんだぞぉ」
「あ~、うん。驚いてる、驚いてる」
「反応薄いなぁ!おい!」


だって本来なら普通に会える立場である。
それなりに緊張するが、今さら国王という立場には驚かない。
やはりそこは王女として育った慣れがあるのだろう。
むしろ、どう説明をすべきか、身分を明かした方がよいのか、その場合信じてもらえるのか、考えることの方が大きかった。








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