狙われし王女と秘密の騎士




翌朝。
朝食が終わった後、とても良いタイミングでライが現れた。


「陛下がお会いして下さるそうです。すぐに準備出来るか?」


前半は私達に話し、後半はカイルに確認をとる。そして私達は宿を出て城へと向かった。
ライ曰く、迎えの馬車を用意しようと思ったが、一応亡命者という立場で城に上がるため仰々しい迎えは難しいとのことだった。
馬車で行くつもりもなかったため、気持ちだけありがたく受けとる。
しかもここは城下町で宿も城のすぐそば。
歩いた方が早い気がした。

ライとカイルが先を歩いて、その後ろを私たちが着いていく。
昨日からお頭は興奮おさまらない。


「ドキドキするなぁ。ナリエル王はうちの陛下を助けてくださるといいな!」
「うん……」


そうなのだ。いくら謁見出来ても、助力を得られなければ意味がない。
その為にはやはり、エルシール国王女と名乗るしかないのだろう。



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