狙われし王女と秘密の騎士
ナリエル国王とはどんなお方なのだろうか。
国の発展からその手腕は窺える。
人となりも悪い噂はなかったはずだ。
私がいろいろ考えていると、カイルとライが立ち止まった。
そこには大きな広場があり、兵士が点在している。その先に見える城壁のさらにその先は長い階段。そして、その頂上に高くそびえる大きく立派な城がそびえたっていた。
城の見た目的な作りはどの相違はないが、圧力感を感じるのは国の大きさや雰囲気によるものなのだろうか。
「……これを登るんですかい?」
目の前の長い階段にお頭が怯む顔をしている。
「ここからは見えませんが、登った先は広々とした庭園があり、城はその先です」
「こんなに近くに見えるのにぃ?」
城の造りに慣れてない頭は情けない声を出す。
「大丈夫だよ、お頭。あの階段は長く見えるが、そうでもない。遠近法のせいで、長く見えるだけだから」
私は勇気づけるようにお頭の背を叩く。
実際近づくと、階段は大きいが段数は見えるほど多くない。
遠くから見ると、階段は細かく、長く見えるだけだ。つまり外敵から守るためのフェイクである。
「よく知っていますね」
ライはチラリと笑った。
その笑みに曖昧に笑って誤魔化す。