狙われし王女と秘密の騎士
すると、それを見兼ねたカイルがため息混じりに「陛下」と声をかけた。
「そんなに見つめないで下さい。困っていますよ」
「あ?あぁ!そうだな。ついな」
カイルに言われて国王は今気が付いたかのように笑い声を上げた。
何なの?
その様子に眉を潜めてしまう。
「いやいや、すまないね。実にその格好が様になっておるゆえ。見つめてしまったよ。失礼をした」
「え……」
様になってるって……。
国王の言葉に固まる。
顔をひきつらせて国王を見上げると、面白いものを見るような目で私を見ていた。
「確かに少年のようだ。その姿、国民が見たら卒倒してしまうだろうな?エルシール国王女殿」