狙われし王女と秘密の騎士


国王の言葉に完全に思考が止まった。
今、なんて?
突然のことに真っ白になった。

それを引き戻したのは隣にいるお頭の驚きの声だ。


「へ、陛下?何を仰って……。こいつはシュリと言って王女じゃ……」
「身を守るために男と偽ったのだろう。素晴らしい判断だと思うぞ」


お頭はさらに驚愕な表情で固まっている。
しかし、私も相当驚いた表情をしていると思う。
だって、私はナリエル国王と面識はない。
なのに何故、私がエルシール国王女とわかったのだろうか。


「何故……」


やっと出たのは疑問だった。
すると国王は難しいことではないと言うようにあっさりと言った。


「カイルが報告をしていてくれたからだ」
「カイルが!?」


まさかの名前に勢いよくその人物を振り返るが、当の本人は黙って陛下を見ている。

カイルが私の正体に気が付いていたというのか。





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