狙われし王女と秘密の騎士
「承知致した。我が国で出来る限りの助力はいたそう。そして今回のことは私の代わりに指揮権を全てカイルに一任する」
出来るな?と国王に言われ、カイルは「ハッ」と短く承諾した。
それに戸惑ったのは私だ。
「カイルに指揮権ですか?」
「おや?カイルでは不満かな?」
「いえ、あの何故……?」
何故カイルに王の持つ指揮権が一任されるのか。
軍人や剣士官には見えない。
いや、そもそも指揮権はその国の代表とする者が持つもの。一介の官僚に任せるものではない。
とすると。
「おや?なんだカイル。お前、まさか言ってないのか?」
「えぇ。まぁ……。タイミングを逃したとでも言いましょうか」
国王の不思議そうな面白がるような顔にバツの悪そうな表情のカイル。
「全く。通りでさっきからシュカ殿のお前への反応が悪い訳だ」
「あの、どういう?」
カイルと国王を交互に見るが戸惑いと疑問は消えない。
すると、国王は苦笑しながらその疑問を解いた。
「シュカ殿。こいつは私の二番目の息子だ」
「むす……こ」
二番目の……息子?
ん?
て、いうことは。
「ナリエル国王子!?」