狙われし王女と秘密の騎士
ずっとこうしていたい。
カイルの腕の中は、私を満たしてくれる。
こんなにも心が温かくなる。
好きな人の側はこんなにも居心地がいい。
安心する。
“幸せ”を感じた。
私の居場所はこの腕の中。
お互いの温もりがこんなにも愛おしい。
カイルが優しく囁いた。
「愛してる。シュカ」
低く甘い声で何度も。
その思いを伝えてくれた。
でも。
でもね。
私はしばらくは言ってあげない。
だってすぐに会いに来てくれなかったんだから。
ちょっとくらい意地悪してもバチはあたらないだろう。
だって……。
私の心はもうすでに、こんなにも貴方の虜なんだから……ーー
ね。
カイル。
~Another Story~
END


