小悪魔術師キス・ディオナ
「はい、『イリクサー(万能薬)』です。
でも、これを持ち帰ったとしても、上手く調合出来るかどうか…」
「じゃあ、あげるよ、ほいっ!」

そう言うとディオナは、腰につけていたバッグから、黄金の粉が詰められた瓶を、かぐやに渡した。

「えっ!こ、これってもしかして…」
「そう、イリクサーさ。あげるよ、かぐやちゃんに。」
「そ、そんな!こ、こんな高価な物を…」

その少女、かぐやが戸惑っていると、かぐやの両肩を軽くぽんとたたき、ディオナは言った。

「おじいさん思いの良い子ちゃんに、私からの気持ちだよ。
…早く良くなるといいね。」
「あ、ありがとうございます!ディオナさん。」
「町まで送ってくよ。その量だけあれば、恐らく大丈夫だろう。
…この竹林は、昔から悪い奴らの隠れ家として利用されやすいんだ。もう二度と、ここに入っちゃ駄目だよ、分かった?」



「ふーん。で、やられっぱなしで、のこのこと戻ってきた訳?ボケかお前らは。


…デブ、チビ!」
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