小悪魔術師キス・ディオナ

二人とも、赤く腫らした顔を床にこすりつけながら土下座をしている。その先にいるのは、デブチビコンビに罵声を浴びせている、身長が二メートルはあるかと思われる怪老人だった。

「し、しかし恐れながら申し上げます、『悪鬼那』様！
あんな強い女は初めてでして…」
「大男の『ガンク』兄貴も、一瞬で遙か彼方の大空へ…」
「ああ、成る程。それでこいつ空から…」

悪鬼那はちらっと後ろを振り返った。
ところで、今三人がいる所は、悪鬼那の屋敷内であるが、悪鬼那の振り返った先をデブチビコンビが眼を追うと、ぽっかりと屋敷の天井に大穴が空いている。
さらにその大穴が空いた天井から下には、金で作られた、見事な大きな井戸の置物。
しかしその置物は、どこかが不自然であった。それもそのはずで…

「あっ、い、井戸の口に人が逆さまになって突き刺さっている！」
「ガンク兄貴じゃねえか！こんな所まで飛んで来て…


…ホ、ホール・イン・ワン…ぐわっ！」