小悪魔術師キス・ディオナ
チビは前触れもなく急に吹っ飛び壁に激突し、干からびたカエルの様に壁にぐしゃぐしゃに張り付き息絶えた。

「…誰がそんな面白解説しろっつったよ、カスがっ!
俺はな、こんなデカ物の墓石にする為に、この井戸こさえたんじゃねーんだよ!俺の富の象徴、汚しやがって!
…おい、デブ!」

怒り狂う悪鬼那にびびり、腰を抜かすデブは必死の形相で答えた。

「ひゃっ…ひゃい!何でしょ~!」
「行くぜ…ついて来いや!」
「どこへです?」

悪鬼那は、壁に掛けてあった、牛一頭はゆうに輪切りにできそうなぐらいの、大きな鉞(まさかり-オノに似た伐採道具)を片手でひょいと持ち上げて叫んだ!

「決まってんだろうが!血祭りに上げに行くんだよ!」
「そ、そうは申しましても、あの女共、一体どこに…」
「お前の体に染み着いた、奴らの匂いで分かる。
どうせ、この竹林の周りにある町なんて限られてらあ、行くぜ!」
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