トランス!
 「お前、いつごろからか、毎晩同じ夢しか見なくなっただろう?」
 「あぁ、まぁ」
 「その夢には、お前とあと1人、お前に似たやつが居た筈だ」
 ・・・あの女の子か。それがどうかしたのだろう?
 「それが・・・私なんだ。どうしてかはまだ説明出来ないが、いずれ話すつもりだ。・・・信じてくれるか?」
 行き成り信じろと言われてもなぁ・・・ただ戸惑うだけだ。
 「・・・だよな。いや、信じなくても良い。その事だけは頭に入れておいてくれないか?」
 「あぁ、分かった。・・・なぁお前、俺といろんな接点がありそうなんだが、俺とお前はどういう関係なんだ?なぜお前は俺の夢に出てきたんだ?」
 「・・・・・」
 いつまで経っても返事はかえって来ない。・・・聞いちゃ駄目だったか?
 「聞いたら駄目ってことは無いが、そ・・・そこまではまだ言えん。だが、いずれ解る」
 ・・・そうか。
 「・・・行き成りこんな事いってすまない。もう終る。最後に1つだけ、言っておきたい事が有る」
 凜が大きく息を吸う。
 「私は―」
 凜が最後に言ったその言葉は―
 「お前等と同じ種族では無い」
 それだけだった。




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