GOD GAME

ラスボス戦











「逃げろ!!


能力だ!!」


背後から誰かの声がして、僕の前に黒いカーテンが現われた。


刹那。

黒いカーテンの向こう側に刀を振りかぶった侑弥さんが現われる。

侑弥さんはそのまま雷刀を振り下ろした。


しかし、雷刀は黒いカーテンに受け止められる。

僕は反射的に菊一文字を抜き、そのまま黒いカーテンを切り裂き、侑弥さんに斬り掛かった。


黒いカーテンは脆く消滅し、金属音を奏で雷刀と菊一文字がぶつかり合った。


でも、その時に僕の目には信じられない事が映ったんだ。

僕から少し離れたとこにいた水城と相澤隊長の前にも雷刀を振り下ろしている侑弥さんがいたんだ。


分身か!?


それにこのカーテン…

誰が…

「まさか完全分身のスキルを使ったか…

やりたい放題だな…

でもな、これ以上こいつらを傷つけるわけには行かないんだよ!!


ケルベロス!!!!!」

背後から黒い炎を纏った三頭犬が玉座に向かって走りだす。

僕の前の侑弥さんがつられるようにその後を目で追った。

チャンスだ!!!


僕の菊一文字の刄が紅蓮の炎に包まれた。
< 472 / 523 >

この作品をシェア

pagetop