GOD GAME
しかし…
信じられない事が起きた。
僕らの魔法が発動する前に地面から生えてきた蔦が足に絡まり付いたのだ。
一気に体が重くなり、不思議とΜΡを消費できない。
力を抑制されている、そんな感覚だった。
「ふぅ…
別に取って食おうってわけじゃないよ…
おじさん達も暇じゃないんだ…
いろいろ聞きたいとは思うけど、とりあえず本部に来てくれるかな…」
木の男はやる気の無さそうな態度を取っているが、目が違った。
一見すると不精髭を生やしたおじさんだけど、青木や堤、百合菜さんとはまた違う何かを放っている。
「あぁりゃりゃぁ…
強行手段かよ燵さん。
まぁ嫌いじゃぁないけどねぇ。」
そういう土の男は浅葱色の羽織に、誠の文字。髪は木の男のように長髪ではなくさっぱりした短髪。顔は常に笑顔で、それがかえって怖い。
この二人、おそらく桁外れに強い。僕はみんなとアイコンタクトをとり、黙ってついていくことにした。
今は無事を確保し、情報を集めること、これを一番に考えないと…
「分かりました。
つれていってください。」
僕の返事を聞いた二人は、顔を見合わせ、木と地面に手を当てた。