CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
とにかく俺達は、ユー君の為に、日曜日の野外ライブへ向けて観客集めに奔走した。
バンドのメンバー全員で、片っぱしから電話掛けまくって、高校の頃の友人からバンド仲間で交流のある奴、家族や先輩や後輩…と、とにかく携帯のメモリーにある電話番号に掛けまくって、日曜日の昼に集まって貰った。
ユー君とXYZのメンバー全員は、ステージ裏で音合わせをしたり、軽くリハーサルをやっていた。
昼前になって、ちょっと早めに昼飯を食べることにした。
ソナとハヌルが作って来てくれたサンドイッチをペットボトルのお茶を飲みながら食った。
観客席にはポロポロ人が集まってきだした。
シン(天道君)も、アボジ(親父)の命令で音響全般を担当してくれる。
今日の演目は、
Openingでエアロスミスの
I Don't Wanna Miss a Thing
を演奏して
その後から
1 MY LOVE
2 Get a chance
get a rhythm
3 Sacrificed
4 ノパッケアンポヨ
5 ナエ サラン
6 約束
の順番で進行していく。
ユー君には、トークもやって貰わなければいけない。
とにかく、度胸を付けさせる為には何でも遣って貰うつもりだ!
約1時間のステージで、簡単に出来るようになるとは思ってないが、とにかく時間が無いのだ。デビューの日程は決まっているから…
♪♪♪♪♪♪♪♪♪
遊園地の野外ライブ
♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ステージに出てみると、電話掛けまくって頑張ったおかげで、満席になっていた。
報告だと、遊園地で遊んでいた中学生や高校生なんかも観に来てくれたらしく、500人近く入っているんだそうだ。
「ユー君、大丈夫だよ。実力はある。
お客様の気持ちを掴む歌が歌えれば、皆拍手してくれる。
後は、ユー君の度胸一つだから。」
『ダイジョブデス。
モウ、チャント歌エマス。』
「それじゃあ、みんな、今日のライブはユー君の為のステージだけど、宜しくお願いな!」
『何言ってんだ!?
もう俺達は、仲間だぜ。』
『バンド組んでて最高のステージだよ。』
『盛り上がって行くだけだよ~ん!』
そして始まったユー君のステージ。
いつもの倍近く入っているにも関わらず、ユー君の歌声は今日の晴れた青空に突き刺さる勢いで、腹の底から歌えていた。