天翔る奇跡たち
もうあたしは怒り心頭。断然、彼女の事を守らなきゃって思った。ガナッシュみたいな言葉の暴力からも。
……しっかし、きれいな娘だったんだよねえ、ずっと日の当たらない倉庫に閉じこめられていたせいか肌なんかやたら真っ白で、ちょっと癖のある長いプラチナブロンドが水に濡れてぽたぽたしずくを落としていた。
そのしずくさえ肩や腕からはじかれて、拭き布が必要ないくらいだった。だから、あたし、こう言った。
「ドロップス、きれいでかわいくて良い名前じゃん! ぴったりよ」
そういうと、彼女は哀しそうな顔をしていたけれど、
「はい、どうぞこれ。甘くておいしいドロップていうのよ、あなたとおんなじね。そ、お口に持って行って……」
あたしはそれが食べ物であること、敵意がないことを何遍もジェスチャーで示した。