天翔る奇跡たち
「ディノーディアさまー!」
それは亜竜一族の少年だった。あっ、角がある。やっぱり、そうだよ。
「ジェイド、そなたはなんでこんなとこにいるー!」
「や、でもおれ、ドラゴノーツやるの、やめたし……」
「や、やめた? 一体なんで?」
「亜竜族のとこじゃなくって、こっちの子と結婚することに決めたからさ」
「このっ、浮気者ぉー! 私の姉はどうするつもりなのだ」
「浮気じゃないよ、結婚するんだから、本気だよ。そのうち逢わせてやってもいい。そのときはおれはオヤジになってるだろうなあ」
さらりと断りおくジェイドと呼ばれた少年は、どこかうつろな目をして、なんだか仕方がなさそうな顔をしている。
「私の姉御はどうするのだ!」