サクラ咲ク



強い信頼関係は、壊すのは簡単だけど、築くのは長い年月が必要。



私に、その信頼関係を崩す権利は………ない。






動きの止まった私に、土方さんはまっすぐに面を打ち込んできた。




私は避けることなく、手首で竹刀を受ける。




「い………ッッ…」




激しい痛みが手首に走る。

頭で受けていたら、脳震盪は確実だっただろうな。





「…小手一本、土方さんの勝ちです。」




総司さんの静かな声に私は顔をあげた。




「私の負け、ですね。」




ここには、いられない。
負けてしまったから、ここにいることは認められない。



だけど、隊士の人たちの安堵した様子を見て、負けたことが間違ってないと思えた。






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