月の恋
「おい」
『………………』
「お『っぎぃぃぃぃやゃゃゃゃゃ!!』
なななな何でコイツがこんなとこおんねん!!
「鬼壟様!」
暁岾は急に現れた主にすぐさま頭を下げ一歩下がる。
そして目の前の2人に目をやると……
「お『ぎぃぃぃぃやゃゃゃゃゃ!』」
「お『ぎぃぃぃぃやゃゃゃゃゃ!』」
なんとも不思議な光景に出会う…。
「お『ぎぃぃぃぃやゃゃゃゃゃ!』」
「てめぇ…なめてんのかっ!」
『あっ!あんたなんか舐めるか!』
生綉姫は目の前に現れた鬼壟に驚き叫ぶだけ叫ぶと暁岾の後ろへと隠れる
「み、生綉姫様?」
『う、うちに近寄んな!』
「ふざけんな!そっから出てこい!!」
『嫌じゃ!』
「……暁岾そこおどけ……」
「え?…あ…」
『そーゆうのんせこいで!!卑怯者!』
ーーピク
鬼壟の片方の眉毛が小さく動く
そして低い声が廊下を這う(はう)。
「…暁岾そこどけ」
「…ぁ……」
鬼壟の低く威圧感のある声は暁岾を動けなくさせるには十分な力を持っている……