月の恋
『うぎゃっ!』
いったぁーーー!
ーーガバッ
『ちょっあんた!急になんなん!』
部屋の真ん中に投げ入れられた生綉姫は扉を閉めた咲羅に怒鳴る
だが当の咲羅は…
「………」
『てかあんた誰!?』
「………」
『ここ何処!?』
「………」
『聞いてる?』
「………」
『……なぁ…』
「………」
おい姉ちゃん…ちょい待てや。
うちは急に担がれたあげく意味分からん部屋放り込まれて綺麗な放物線までえがかされて、あげく!顔面ダイブまでしたのに…のに!!
の・に!
『笑ってよっ!そこ笑うとこっ!無言にされるんがいっちゃん恥ずい!!笑って笑ってスマーイル』
チンピラ風に脳内で悪態をつき目の前に立つ咲羅に満面の笑顔を見せて『ほらっ』と言ってみる。
だかそんな生綉姫に返ってきたのは…。
「……黙れ、カス」
ーーぷっちーん
冷たい声と生綉姫の怒りだった…
『はいぃぃっ!なして黙れ!うち全く意味分からのやけど!!』
「黙れ、ブス」
『いやいやいや、ブスは知ってるけど酷くないっ!!』
「黙れ、クズ」
『ちょっクズはアカンやろ!傷つくから!』
「黙れ、人間」
『だからっ!あ…はい……じゃなくて!何でそんな毒舌!?』
「…脱げ」
『美人やのに…って!はああぁぁあぁぁ!!』
ちょい待て!脱げって何!?
『絶対イヤ!!』
「…拒否権は無い」
いや!ちょっと待って!嫌やから!
だから!
なんでもう脱がし始めてんの!!
咲羅は逃げようと後ずさりする生綉姫を壁までおいやるとすぐさま生綉姫が身に纏ってる物を次々に脱がしていく。
『いやっ!やめてやめてっちょっ!くすぐったい!ぎゃははははっ』
「…黙れ」
『きゃーお止めになって~~いっ!痛い痛い肉つねんなー!ちょっとふざけただけやん!!』
「…ブタ」
『はぁぁっ!もっぺん言ってみぃ!』
「…ブタ」
『言わないでーーぇ!』