噛みつくようなキスをして
「それと、馬上から人を見下ろすのも失礼に値するのかと。」
しかし、少女は次々と臆することなく言葉を続ける。
そして、最後に「王室警護軍は礼儀を重んじると聞いたのですが、あれは所詮噂だったのでしょうか?」と言い残して、スタスタと青年の横を通り過ぎるのだった。
「ちょ、待て待て。お前、そっちはスリニエル男爵の屋敷しか無いぞ?村はあっちだ。」
咄嗟に青年は彼女の腕を掴むが、少女は彼を一瞥すると、それを振り払った。
「生憎、私は今からそこに帰るんです。邪魔しないで下さ…」
“い。”と言いたかったのだろうか。
だが、青年の耳に聞こえたのはズザーッという音だけで、見れば少女が地面に這いつくばっている姿が目に入った。
「……」
「……」