噛みつくようなキスをして
限りなく気まずい沈黙がその場を支配した。
「ぶっ……」
しかし、それを先に破ったのは青年の吹き出すような笑い声だった。
「――っ!わ、笑わないで下さいっ!!」
対する少女は顔を真っ赤にして叫ぶが、青年は尚も涙ぐみながら笑い続ける。
そして、一通り笑い終えたところで青年は馬から降りて、彼女に手を差しのべた。
「ほら、手を出せ。」
一瞬、少女はその手を取ることを戸惑った様子だったが、青年は急かすように要求する。
すると、少女はさも複雑そうな表情でおずおずと彼の手を取った。
「……ありがとうございます。」