ご主人様はお医者様


彬はこの指輪を婚約指輪だって言ってくれた。



うれしくて、幸せで、今もこれからも、その先の未来もずっと一緒にいたいと思っているのに・・・


なのに、これから離れ離れに暮らすなんて考えられない。



「彬は私と一緒じゃなくて寂しくないの?」



私がそう尋ねると、少し困ったような顔をして彬はこう言った。



「寂しいさ、でも――」




“ピリリリリリ・・・”




そこにタイミングよく呼び出しの携帯電話が鳴る。


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