ご主人様はお医者様
「もしかして、デキて帰ってくるんじゃない!?」
「いやーん、ありえるかも!!」
よくある噂話。
でも、耳を塞ぎたくなる心情・・・
ただでさえ不安なのに、こんな話聞きたくないっ!!
そう思ったとき、沢木さんがみんなに声を掛ける。
「さ、忙しいんですから仕事しましょーよ?」
先輩たちは沢木さんの言葉に渋々仕事に戻って行った。
ホッとしたのもつかの間、沢木さんが私の目の前にやって来た。
実は・・・
あの日以来、ずっと避けてたんだ――沢木さんのこと。
キスされて、彬とのことがばれて、捨てセリフ残して立ち去ったんだもん……気まずくて。
そそくさとナースステーションを出ようとすると、沢木さんは追いかけてきて私の腕を掴んだ。
「及川さん、もういい加減避けるのやめてくれる?」
そういうと、沢木さんはニッコリと笑って見せる。