ネコ専務シリーズ

シロのある日

シロは、いつものようにネコ専務よりも
早く目が覚めた。

そしてネコ専務が朝食を出してくれる
まで、床をゴロゴロしたり、毛づくろい
したり、ゴムボールを転がして追っかけ
たりして30分ほど待っていたが、
ようやく目覚まし時計がジリジリ鳴り、
ネコ専務が飛び起きた。

そのときネコ専務は、

「それはヘリコプターだよ、ママ」

と呟いていたが、シロは

(また寝ぼけてるわ、この人)

と思って飼い主を見ただけだった。


ベッドから降りたネコ専務は、自分の
食パンを焼き始める。

シロは実のところ、そんなにお腹が空い
ているわけでもなかったので、しばらく
放っておかれるに任せたが、なかなか
こちらを思い出してくれそうにないため、
鈴の音のようなかわいらしい声でニャー
ンと鳴いて、ネコ専務にすり寄った。
ネコ専務は、

「あ、そうだったね」

と高級キャットフードを用意し、シロは
それを平らげる。
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