月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
「さっき行ったの、これなんじゃない?」

「たぶんな……次の1時間とか待つよ。時間もったいないなぁ」

 昼の時間だけど、乗り換えに1時間も使っていたら、夕方まであっという間だ。あたしは、バッグを空けて紙を取り出す。電車を降りたらバスで行けると思っていたけど、念の為と持ってきたもの。

「調べた時にさ、旅プランがあったよ。観光タクシーのやつ……」

 その部分をプリントアウトしてきたんだった。案内の電話番号も載ってる。駅前には観光案内所と看板が出ている建物がある。あ、あれネットで見たな。

「あそこ、聞いてみようよ」

「晃、下調べすごくない?」

「だって行き当たりばったりって不安じゃん!」

「えー俺なんとか行けると思ってたしさー聞けばいいかなって」

 頼りになるんだかならないんだか分からない人だ。でもいざとなったらどうにでもなる。(あとは冬海に任せよう)

 あたし達は、観光案内所で観光タクシープランのことを聞いた。おっとりとしたおばさんが対応してくれた。

「どこに行きますか?」

「入道崎なんですけど……」

 冬海が答える。窓口には秋田観光のパンフレットや散歩マップ、食べ歩きマップなどが並んでいる。
 どれか1枚貰って帰ろうかな……せっかく来たし。

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