月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
「バスがさっき行ったみたいで……今からってバスもう無いんですか? 入道崎行きの」
チラシを手に取りつつ、冬海が喋るのを横で聞く。目的地は入道崎なのだった。
「バスはちょっと……待ちますね。他は? あとはなまはげ館とか、男鹿水族館とか……」
「いえ、入道崎に行きたいんです」
薄化粧の色白のおばさんは、きっぱりと言い切る冬海の顔を見て目をパチパチ。男鹿に来て、そこに行きたいとグイグイ来る観光客も珍しいだろうな。
「……じゃあ、ちょっと待っててね。お兄ちゃん達、高校生?」
おばさんが、頬にかかる肩までの髪を耳にかけ、横にあった電話の受話器を取りながら、そう聞いてきた。
「あ……はい」
ちょっと待ってね、また言ってどこかへ電話をかけ始めた。カウンターから手を離した冬海は、肩をすくめてあたしに合図を送る。行けるのかな、どうなんだろうね。そういう感じ。
あたしは、何気なく取った男鹿の美味しい食べ物チラシを手に、行き場の無い視線を巡らせた。電話で話すおばさんの向こうにも、職員らしき人達が居る。
相変わらず、外は良い天気だ。今日は降水確率もずっと低め。このままの天気なら、入道崎で夕陽が見られるんじゃない?
チラシを手に取りつつ、冬海が喋るのを横で聞く。目的地は入道崎なのだった。
「バスはちょっと……待ちますね。他は? あとはなまはげ館とか、男鹿水族館とか……」
「いえ、入道崎に行きたいんです」
薄化粧の色白のおばさんは、きっぱりと言い切る冬海の顔を見て目をパチパチ。男鹿に来て、そこに行きたいとグイグイ来る観光客も珍しいだろうな。
「……じゃあ、ちょっと待っててね。お兄ちゃん達、高校生?」
おばさんが、頬にかかる肩までの髪を耳にかけ、横にあった電話の受話器を取りながら、そう聞いてきた。
「あ……はい」
ちょっと待ってね、また言ってどこかへ電話をかけ始めた。カウンターから手を離した冬海は、肩をすくめてあたしに合図を送る。行けるのかな、どうなんだろうね。そういう感じ。
あたしは、何気なく取った男鹿の美味しい食べ物チラシを手に、行き場の無い視線を巡らせた。電話で話すおばさんの向こうにも、職員らしき人達が居る。
相変わらず、外は良い天気だ。今日は降水確率もずっと低め。このままの天気なら、入道崎で夕陽が見られるんじゃない?