月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
 あたしは急いで、生徒会室の後ろにあるゴミ箱を開けた。空っぽだった。

「用務の人がもう持ってっちゃったと思うけどぉ」

 ふふっと、少し笑うのが聞こえた。あたしは、腹の底がグラグラと煮え立つ寸前なのを感じて、慌てて抑えた。


 マミ先輩、分かっててやったんだ。あたしが昼休みにココに来たのもどこかで見てたの?

 その封筒に、あたしが中尾先輩から頼まれて作ったプリントが入ってるのを分かってて。

 プリント入ってますって封筒に書いたんだもん。

 あたしはマミ先輩の近くまで言って、睨み付けてやった。ナメんな。

「サイテーっすね、マミ先輩」

「なによ……」

 なによ、じゃないわこの雌メガネザル。分かっててやったくせに。

 バン! 大きな音をたててドアを閉め、生徒会室を出た。


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