月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
「……」

「あった?」

「い、いえ。勘違いでした、すみませんでした」


 散らかしたわけではないので、ゴミ袋の口をまた結び、用務のおじさんにお礼を言って倉庫を出た。


 下駄箱に向かう廊下がやけに長く感じた。実際長いけど。

 足が重い。


 マミ先輩のいやがらせ。あたしに対するいやがらせ。

 頭にくるのを通り越して、悲しい気持ちになった。

 中尾先輩宛に来てた手紙なんかも勝手に捨てていた事も。

 中尾先輩がそんな事頼むわけない。

 そんな人じゃない。ちゃんと読むはずだ。

 マミ先輩が「中尾くんに迷惑だろう」って勝手に捨てたんだ。


 そんな好きになり方って。

 マミ先輩の、中尾先輩への想いは、歪んでる。


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