月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
 夕方の空の下、駅まで繋がる学校の帰り道は好きだ。

 高い場所にある学校、坂から町並を見ながら歩くのが好きだ。

 1年生の1年間は、何事もなく過ごしてきた。あの冬の日の花壇で冬海と出逢い、2年になって。

 中尾先輩に告白されて、そしてマミ先輩の事。

 こんな悲しい気持ちになるなんて、思ってもみなかった。



 電車を待つホームは、またいつもの様に夕暮れに包まれる。

 だんだんと日が長くなってきた。夕陽の色も夏へと近づく。

「まもなく、電車が参ります」

 アナウンスが入った。

 向かいのホームにも学生や会社帰りの人達がたくさん居る。


 突然、携帯が振動。

 画面には「園沢 冬海」。あたしは急いで出た。


「も、もしもし」

「あ、センパイ。いま帰り?」

「え……うん」


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