月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
 廊下に響き渡る2人の甲高い声。あたしは思わずムンクの叫びみたいに両手を頬に当てた。

「ちょおっと、声がデカイ2人とも!」

 2人を引っ張って、昇降口から出た。校内でこんな話されたんじゃたまんない。あたしは周りをキョロキョロ、特にメガネのショートカットの女子生徒が居ないか確認した。

「ちょっと」

 あたしは、両脇を梓と美由樹にガッシリと掴まれて連行される宇宙人みたいに校門まで歩く。

「卒業までにって、なによその話」

 美由樹が言う。梓も「そーだそーだ」って言っている。

「いやあ……その」

 そういえば、言ってなかったんだっけね……。中尾先輩に告白された事。
 なんだか最近、色々あって言うタイミングが無かったというか。

「その……告白されまして」

「誰にいいぃいい」

「な、中尾先輩に」

「ふわぁぁあ」

 梓と美由樹は、交互に変な声を出した。

「そんで、好きなヤツとか居ないんだったら考えてみてって。卒業までに好きになってくれればいいって……」

「会長、大人な事言うねぇ」

 美由樹は指を組んで目を輝かせている。「キュンキュン」しているの図。
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