月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
 2人とも頷きあっている。そう、あたしが思っていた事だ。梓が幸せなんだったら、美由樹が幸せなら誰と恋愛してようがいいって思ってた。そんな風に、2人も思ってくれてるんだな、そう思ったら胸がふわっと温かくなった。

「あたしなんかって、思っちゃだめだよ」

 美由樹がくるりと向いて言ってきた。風に髪が揺れる。女の子らしくて柔らかそうな美由樹のそれは、触れてみたくなる。物腰や雰囲気。そういう所、憧れる。

「晃は晃だよ」

 梓も。しっかり自分を持って、意見も言える。友達を大事にするところ。スタイル良いから、同じ制服を着ているのに何この違いって思う。
 2人とも、あたしの大事な友達。

「ありがと……」

 学校帰りの夕暮れは、今日1日の授業で使った頭を家へ帰るまでに緩めてくれてる。
 明日また、みんなで笑える事が嬉しいと思った。

 いまこの時間はもう二度と戻ってこないのだから。

 中尾先輩の事を考える。

 卒業までに好きになる? 毎日繰り返し中尾先輩の事を思えば好きになる? 時間をかけて好きになる?
 それで好きになるのかな。触れたい、抱き締めたいって思うのかな。触れて欲しいって。

 自分に問いかけたって、答えるのは自分だ。






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